「ないものはない」海士町について

海士町は、島根半島の沖合約60㎞にある隠岐諸島の中のひとつの島です。「海士町」は町の名前で、島の名前は「中ノ島」といいます。対馬暖流の影響を受けた豊かな海と、名水百選(天川の水)に選ばれた豊富な湧水に恵まれ、自給自足のできる半農半漁の島です。隠岐諸島の有人島は4つ。海士町はその中で3番目に大きい島で、人口は約2,300人。周囲は約89㎞。島を車でぐるっと回るだけなら2時間あれば一周できる大きさです。

海士町は、隠岐が遠流の地と定められた時代より、多くの政治犯や貴族の方を受け入れてきました。中でも、鎌倉時代に承久の乱に敗れた後鳥羽天皇は、この海士町で19年間をお過ごしになられたことで知られております。歌人としても有名で、海士町でも多くの和歌をお詠みになられました。そして、海士町には後鳥羽天皇をお祭りした隠岐神社があります。2019年には御創建80周年を迎え、海士町を訪れた多くの方がご参拝をされています。周囲は自然豊かで非常に静かな場所に本殿がありますので、海士町散策にもおすすめです。

海士町は2011年に「ないものはない」宣言をしています。この「ないものはない」という言葉は、(1)無くてもよい、(2)大事なことはすべてここにある、という二重の意味をもちます。離島である海士町は都会のように便利ではないし、モノも豊富ではありません。しかしその一方で、自然や郷土の恵みは潤沢。暮らすために必要なものは充分あり、今あるものの良さを上手に活かしています。「ないものはない」は、このような海士町を象徴する言葉、島らしい生き方や魅力、個性を堂々と表現する言葉として、選ばれました。

地域の人どうしの繋がりを大切に、無駄なものを求めず、シンプルでも満ち足りた暮らしを営むことが真の幸せではないか?何が本当の豊かさなのだろうか?東日本大震災後、日本人の価値観が大きく変わりつつある今、素直に『ないものはない』と言えてしまう幸せが、海士町にはあります。