移住前の不安は嘘のよう!離島に住んでみてわかった5つのギャップ

「離島」と聞いてあなたがイメージするのはどんな景色ですか?

青く透き通った海・群れをなす魚たち・緑の生い茂る山・のんびりと草を食む牛・潮風に癒やされるフェリー・島民の優しい笑顔…あぁここで一生を過ごせたらどんなに幸せだろうか…そんなふうに誰もが一度は思うはず。

 日本に存在する人が住む離島はおよそ300島。

今回はその中の島根県隠岐郡にある人口2300人の小さな島「海士町」へ、関東に30年住んだ筆者が移住してわかった5つのことをご紹介します。


1、想像していた「大変」と実際の「大変」が違う

 移住前に想像していた大変そうなことといえば「交通の便、買い物」。海士には電車もスーパーもコンビニもない。あるのは島の方が営む個人商店がいくつかと、一日に数本運行のバスとタクシー。予想していたのは買いたいものが買えないてんやわんやの毎日だったが、この予想は大きくはずれた。島の商店はそれぞれに特色があって、「牛乳はあそこの商店、日用品はこっちの商店」と使い分けをしている。商店に売っていないものはネットショッピング利用で数日以内に手に入る。

 交通の便に関してはむしろ関東より便利に感じる。車で山道を20分、絶景を横目に走る人生初のマイカー通勤は毎日の満員電車に比べたら天国だ。ちなみに自動車免許は移住2日前に取得し、車検込みで30万の中古車を購入したが問題なく過ごせている。もちろんこの島で駐車場代を請求されることはない。

毎日の通勤風景「中ノ島スカイライン」

 対して「大変!」と感じたことといえば夏に何度かきた台風を思い出す。運悪く家族が遊びにきたお盆の時期に重なり、帰る日のフェリーが欠航になるとのことで一日早く島を出た。(松江に1泊し、それはそれで楽しそうだった)移住してからまだ冬を経験していないのだが、冬はシケで欠航になることもあるそうだ。船が止まると物流も止まるので、商店から食料が消える。近所の方もカップラーメンは箱買いしているそうで、我が家もそろそろ準備をしなくてはと思っている。フェリーの運行状況で予定が大幅に変わる所が「大変」だと感じた一番のポイントだ。しかしそれすらも慣れてしまえばこっちのもの。いつだって予定は未定。自然に生かされていることを再認識する。そんなこともあるよね〜と大きく構えていたい。


2、地産地消はデフォルト

 先日友人の結婚式で数カ月ぶりに関東に帰省した。飲食店で食事をする度に感じたのは「この野菜や米、どこで誰が作ったんだろう」ということ。海士では港の野菜売り場に並ぶ商品に作った人のフルネームが書かれている。毎日の通勤で見る田んぼでできたお米と、港に泊まっている船で取って来た魚。食材の出どころが明確で、安心。我が家では食材を買うこともあるが、最近は庭で採れた野菜(もしくはご近所さんからのいただきもの)と、自分で釣った魚が食卓に並ぶことも多い。仕事から帰ると玄関にすいかが置かれていたり、朝7時に近所のおじちゃんが捕れたてのタイを持ってきくれたり・・・都会では努力しないと実現しない地産地消が、ここではデフォルトで当たり前。むしろ外のものを食べる事ほうが高くつく。関東ににいた時には、スーパーで産地を確認して購入していたが、その必要がなくなった。美味しいだけでなく、安心できる食の環境に日々感謝!


3、心配しなくても仕事はある

 移住を考えた時に心配に思うのが仕事はあるのか?ということではないだろうか。我が家は海士で仕事をしたいと思って移住を決めたので、引っ越したらすぐに仕事がある状態だった。海士での仕事の探し方だが、おすすめなのは「とりあえず一回来てみる」ということ。来てみたら、もしかしたら合わないかもしれないし、旅行で満足かもしれない。でも知り合いのIターンが口を揃えて言うのは「気づいたら働くことになっていた」ということ。海士には不思議な引力があるようで、一度足を踏み入れたら抜け出すのはなかなか難しい…。気になる方は海士町役場HPの求人情報も参考にしつつ、ぜひ実際に足を踏み入れてみて…。


4、結局人と出会える。

 海士には会社の視察や研修で訪れる人が多く、そういった方々との交流は数え切れないほど。関東だったらお会いできないような方との飲み会にも参加させていただき、貴重なお話を聞く機会もある。どんな自己啓発の本を読むよりも出会ったことのない人に会い、話しを聞き、自分の考えを聞いてもらうという経験が自己成長につながっている。

また、移住を考えた時に不安だったことの1つが「会いたい人に会えなくなる」だった。地元の埼玉に帰るのにフェリーと飛行機を乗り継いで片道12時間。相当な気合と時間的金銭的余裕がないと帰れないなと考えていた引っ越し前。しかしながら、実際は想像とぜーんぜん違った。本当に会いたい人は時間とお金をかけて会いに来てくれたし、私が帰省する時にはほんのわずかな時間でも会いたい!と思う人との時間を作り出す自分がいた。

 移住して知り合いの数は爆増。大切な人との絆もより深まった。


5、価値を感じるものが変わる。

 この島ではブランドもののバックも、高い化粧品も必要ない(と私は感じている)。雑誌を開いても欲しいと思わなくなった。むしろ良い軍手とか、長靴とか、スコップ、おいしい食材をもっと美味しくするための調理器具とかに価値を感じるようになった。飽きて買い換えるのが当たり前だったが、良いものを買ってずっと使いたいと思うようになった。何時頃に一番アジが釣れるとか、秋ナスの育て方とか、カワハギのさばき方・・・都会にいたら絶対に知り得なかった知識も身についた。海士で価値を感じるのは「生きるチカラ」に繋がるもの。食べるものを作り出すための知恵と、それを学ばせてくれる人との温かい繋がりはどんなにお金があっても買うことができない。そういうものに価値を感じるようになった。


まとめ

 総じて、移住してよかった!都会でストレスに感じていたことはひとつもなくなった。車のバッテリーをあげたり、月1回の缶ゴミ収集の日に出し忘れたり、せっかく育てた野菜をカラスに突っつかれたりとそれなりにトラブルもあるけど、それを超える「最高の瞬間」が山ほどある。   

 今後の目標は、キャリアアップしてどこでも使える人材になり、海士に恩返しすること。私のイメージする海士は、ここで育った若者たちが世界各国、日本全国に火の粉のように飛び散って、培った能力を発揮して輝いている未来。都会に疑問を感じていたり、地方移住に興味のあるあなた。ぜひ一度海士町に来てみてはいかがですか?